2022/06/11 Podcastはしばらくお休みします。

今の時代に必要なスキルは読み書きそろばんかもしれない

雑記

こんにちは。安慶名勇子です。

タイトルにあるように今日は『読み書きそろばん』について。受講生のさらなるレベルアップを実現するには、何が必要なんだろうか…といろいろ考えていた時にふと頭をよぎったのが『読み書きそろばん』という言葉。「そういえば、この言葉の意味についてしっかり調べたことなかったな」とググってみて驚いたことと、それを踏まえた現代における『読み書きそろばん』の必要性について考えてみたので最後まで読んでいただければ…と。

読み書きそろばんの本当の意味

『読み書きそろばん』の意味、どうやら私は誤解していたよう。コトバンクによるとその意味は

文字・文章を読むこと,内容を理解して文章を書くこと,および計算すること,ならびにそれらができる能力をもっていること。とくに近世末期以降,初等教育における基本的な教育内容とされ,また初等教育で獲得させる基礎的な能力・学力をいう。読み書き算ともいうが,日本では幕末から明治にかけ,計算は主としてそろばんで行ったので,これを〈読み書きそろばん〉といってきた。英語では,これに〈スリーアールズ〉(読み・書き・算を表すreading,writing,arithmeticの3語にRがあるので,3R’sという)の語をあてる。

ということらしい。
私はこれまで

読み → 読書
書き → 文字を美しく書く(書道など)
そろばん → そろばんの習得

だと思っていたが、『内容を理解して文章を書く』『ならびにそれができる能力』といった深い意味を含む表現に驚いてしまった。文字を読める・文字を書ける・計算ができるという単純スキルを超えた価値までしっかりくみ取ってこそ、『読み書きそろばん』の真の価値がわかるのかもしれない。

さて、少し考えてみたい。私たちは日頃当たり前のように読んだり書いたり、または計算したりしているけれども、そもそも、本来の『読み』『書き』『そろばん』の真の意味を理解し、その意に沿った基本的スキルを身に付けているのか…?その質を高める必要性を知り、鍛える努力はしているのか…?ということを。

『読む』について考える

文意を読み取ることまで含めて『読む』が成り立つ

今の時代は特に、文意を読み取る力は必要だと感じている。パソコンやスマートフォンの普及によって、仕事・プライベートのどちらにも文字コミュニケーションは浸透しているが、相手の云わんとすることを読み取る力がなければ、読み手の勝手な解釈によって誤解が生じることもある。

特にTwitterではそれが顕著だと感じていて、読み手の勝手な解釈で話があらぬ方向に進んでいく場面をよく目にする。「いや、そういうことを言いたいんじゃないんだけど…。」「書いてあるの、ちゃんと読んでください。」と投稿者がさらにコメントしているのを見るたびに、文字コミュニケーションは書き手の力量だけでは片付かない問題があると思わされる。

文字を読める状態から『文意を正しく読み取れる』状態にならなければ、仕事・プライベートを含めた人間関係のトラブルにさえ発展してしまう可能性もある。…となると、文意を正しく読み取る力を身に付ける努力(努力というほどのことでもないかもしれないが)を個々人が意識して行っていかなければ…と思うのである。文字コミュニケーションを円滑に進めるためには必須の能力ではないかと。

意外と思われるかもしれないが、数学の得点アップに関係しているのも『読む力』だ。一定レベルの実力までなら、簡単に解く方法を知り、ミスのない計算を行うだけで十分到達できる。しかし、受験や資格取得等でその先へ行く必要があるのなら、文章読解力を鍛えなければその壁は超えられない。ひたすら量をこなすだけでは残念ながら解決しない部分があるのだ。

教え子の読解力と数学の関係性を示すデータがあるわけではないが、15年間、3,000人以上の受験生に数学を教えてきた感覚では、その間には相関関係があるように思う。公式に頼らず簡単に解ける即解術を伝えると、数学への苦手意識が克服され、徐々に得点は上がっていくのだが、その後、受験生が質問してくる内容には共通点があることからそれに気づいた。

その質問とは

「先生、問題の意味がわからないのですが…。」

である。

問題文の文章が長くなればなるほど、この質問が多くなる。文章を分解して伝えるとスラスラ解いていくのだから、数学の力云々の話ではないのだ。

イントレ(速読)受講生の中に有名大学を目指す受験生がいたのだが、彼の話もとても興味深い。模擬試験でE判定(合格可能性20%未満)と判断された彼は、「入試問題なんて英文を除いては全部日本語なんだから、日本語を読む力が身につけば受験対策はできる!」と速読を受講したらしいのだが、半年後の彼は模擬試験でA判定(合格可能性80%以上)を取れるまでになっていた。

「読む力を鍛えたら…なぜか数学の点数が相当伸びたんです!」

と話していた彼の言葉を聞いて「…やっぱり!!」とひざを打ったのだが、やはりそうなのだ。『文意を読み取る力』は数学力にも影響する。

余談ではあるが、彼はその後、人とコミュニケーションをとることに対して苦手意識がなくなったとも話していた。『文意を読み取る力』を鍛えることは…人間力アップにも影響があるのかもしれない。

『書く』について考える

文章を書く機会はどんどん失われている

多くの方は、スケジュールやメモを手帳に記入したり箇条書きで何かを書いたりといった『文字』を書く機会はあっても、『文章』書く機会は学生時代より減っているのではないだろうか。メールでのやりとりやビジネス用途で文書を作成するくらいで、プライベートになるとさっぱり…!と言う人も多いかもしれない。著者やライターといった発信者でない限りは、読む機会と比べると書く機会は著しく減少傾向にあると感じている。

通信手段のメインが手紙だった時代は、もしかすると『文章力』の有無が恋愛にも大きな影響があったのかもしれない。しかし、音声、写真、動画、LINEスタンプ…と多様な表現ができる今、文章力の必要性を感じる人はごく少数なのだろう。いや、かなりもったいないことだ。

文章の書き方に悩む人も多くいる

ブログ運営のコンサルティングを受けてくださっているクライアントの中にも、文章を書くのが苦手と感じている人は多い。

  • そもそも何を書いていいのかがわからない
  • 伝えたいことが何なのかがわからない
  • 文章の組み立て方がわからない
  • 書いていくうちに、伝えたいことがどんどんずれていく
  • 伝えたい想いと文章にズレが起こる(伝えたいことを文章にできない)
  • いつも同じ言葉しか出てこない(ボキャブラリーがない)

こういった悩みはアウトプット不足から生じるものだとも思うのだが、同時にインプット不足も関係があるだろう。文章に触れる機会が多いほど語彙力も増すし、自分の想いに合った言葉を選び取る力も養われる。『読む』→『書く』が実践できれば理想的だ。

ただ、読書の習慣がない人にとっては『読む』こと自体のハードルが高いもの。これは私自身が経験しているからとてもよくわかる。本が大嫌いだった私にとって、読書は苦行以外の何物でもなかった。イントレ(速読)のおかげで今は何とも思わなくなったが、読書が苦手な方は無理してそのハードルを超えず、徐々に取り入れていけばいいと思う。

何はともあれ、まずは手帳やSNSを使って、自分の想いを文章にしてみることから始めてみてほしい。

『そろばん』について考える

そろばん経験者に見られる傾向

文章を書いていくと、より伝わる構成に興味が向くようになるが、そのベースとなるのが『そろばん』の部分だと私は考えている。

そろばん自体を学ぶメリットには

  • 計算が速くなる
  • 集中力がつく
  • 脳が活性化する

というのが一般的な見解だそう。私もそろばん経験者だが、算数・数学に苦労しなかったのはそろばんのおかげだと思っている。

これまでの教え子の中にもそろばん経験者は多数いたが、彼らのほとんどが数学分野を得点源としていた。それはまるで、 そろばんを習う → 計算のスピードが速くなる → 算数に興味が出る → 数学もできる という流れがテンプレートとして存在しているのではないかと錯覚するほど。そろばん経験者と聞いただけでその後の学習プランが立てられるほど明瞭なのだ。

面白いことに、彼らに共通しているのが『判断力の速さ』と『端的にものを伝える』能力を持っていること。これはとても興味深い。彼らが端的に話せるのは『分解・再構築』が無意識に、かつ高速でできているからなのだ。

算数・数学から得られるメリット

数学を学ぶメリットはまさにここにある。全体をとらえる力、細分化する能力、情報を結合する能力、再構築する力のすべてが数学によって養われていく。

食塩水の濃度の求め方、点Pが移動した距離、電車と自転車がすれ違う時間なんぞ、求められたところで実生活には全く役には立たないが、何を求めればいいのか、そこに至るまでにそんな数式が必要かを判断し、ミスなく計算し、1つの答えを導き出せる力は財産となる。人生のさまざまな場面で数学の能力は応用が利くのだ。

他にも、家計管理、体調管理に関わる値をはじめ、ビジネスにおける進捗達成率、営業利益率等もすべて数字で測ることを考えると、数字に強いというメリットは大きいのかもしれない。

現代における『読み書きそろばん』の必要性

学びの質を上げるために

『読み書きそろばん』は学びの基礎だという格言は的を射ていると思う。人間対人間のコミュニケーションに文字は必要だし、計算・分析する力は生活にも役立つ。これらのスキルを徹底的に身に付けた後、新しいスキルを学ぶとさらに人生は加速するだろう。逆に、おろそかにしていては…どこかでつまづくことにもなるかもしれない。学びは一生続くともいわれているし、これらは身に付けておくに越したことはない。

インターネットが生活の基盤として定着しつつある今、圧倒的に文字情報が乱立している。調べ物はインターネットで検索するし、コミュニケーションもメールやLINEで行う機会がかなり増えた。空き時間にはFacebookやTwitterなどで友人や著名人の動向を眺め見ることもあるだろう。テレビや電話もまだまだ残ってはいるが、文字情報が増えてきたことには間違いない。その背景を踏まえると、文意を正確に読み取る力はとても重要になってくる。

解釈し間違えたばかりに、投資先を間違えることもあるかもしれないし、取引先とトラブルになることだってあるかもしれない。同じ文章を見てチャンスをとらえられる人と、そうでない人に2分される時代が目の前にきているかもしれないのだ。そう考えると、自分の身を守るためにも読む力を引き上げておくメリットはある。

ビジネスをしてる人、いずれ独立したい人こそ発信を!

また、これからは個の時代ともいわれていることからも、検索され、読ませる文章が書ける人はますますポジションが強くなる。それができる人材の価値はどんどん上がるだろう。この先は個人のスキルが評価される時代とも言われているし、自分を知ってもらうためにも発信する力(すなわち文章力)はさらに重要視されてくると思う。

特に自分でビジネスをされている方、またはこれから始めたいと思っている方は特に、SNSやブログでの発信をぜひ始めてほしい。発信するには情報収集が必要だし、多くの心に刺さる文章を書くためには何度も書かなければならない。

SNSのインプレッションデータやアクセス解析等で発信の精度を高めたり、導線構築を施したり…と、まさに『読み書きそろばん』を応用したPDCAサイクルを回すことができるから。『読み書きそろばん』が鍛えられる場としてはうってつけだ。

コミュニケーションをもっと円滑にするために

江戸時代の『読み書きそろばん』が持つ意味を発展させた現代版の『読み書きそろばん』とは、人対人のコミュニケーションをさらに円滑にするスキルではないかと私は思う。話のネタも豊富になるし、問題を瞬時に把握し、分解する能力が相手の悩みを解決に向かわせるかもしれない。

何が言いたいかというと「もっと読もう」「もっと書こう」ということ。その活動を通して得られるスキルは人間関係にいい影響をもたらすと信じているから。

ハードルが高いと感じる人は、まずは自分のできるところから一歩踏み出してみて欲しい。SNSでも、ブログでも、日記でも、手段はなんでもいい。

ちなみに、私が文章を書き始めたのは、読書記録をブログに残そうと思ったところからだったが、当時は1記事書くのに5~6時間かかった。文字数もそれほど多くなかったのだが、頭の中にある言いたいことを文字にできず、仕上がった文章を消すことも何度もあった。「あああ、違う!こういうことが言いたいんじゃない!」とイライラする毎日を乗り越えてこその、今なのだ。

最初からできたわけではないが、かれこれもう10年以上は経っているので、あの頃より文章力はかなりついたと実感している。国語・読書なんて大嫌いだったのに。

身近にあるからこそ見落とされがちな、基本ともいえる読み書きそろばん。コミュニケーションの質が変化している今の時代だからこそ、見直す時期に来ているのではないだろうか。子供の教育だけに限った話ではなく、その機会が多い我々も、今一度立ち止まってその価値をかみしめてもいいのかもしれない。

Yuko Agena

Yuko Agena

モノづくりやひとり旅、ガジェット好きのソリスト。仕事のこと、プライベートのこと、日々の出来事や思考を記録しています。

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Yuko Agena

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仕事のこと、プライベートのこと、日々の出来事や思考をジャンルを問わず気ままに記録しています。どちらかというとソリストで、ひとり旅やモノ作りが好き。

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